なくなるまで、尽きるまでつづるブログです。
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妄想を書く
ジャッポンのお仕事
つじつま桃太郎
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「ただいま・・・・・・」
うんこまみれのおじいさんは、おばぁさんの顔を見ると突然涙がほろほろとこぼれ落ちました。 おばぁさんは、涙を流しているおじいさん以前に瞬く間に桃の甘い香りを遮断する便臭に驚くと同時に、まみれるとはこういうことをいうんだなとそのおじいさんのまみれように感心をしていました。 便臭漂う中、まみれ涙おじいさんを傍観するおばぁさんというシーンは、人間はどんなに強烈な匂いでもその悪臭になれてしまう時間はどんな状況においても大体イーブンパーなんだね。同じなんだね。とおじいさんとおばぁさんは無言の会話を交わしたような交わしていないような、確かにおじいさん帰宅後、何も会話を交わしてはいないはずの夫婦は、本日に限って円満にいくはずがない状況、おじいさん便まみれ、おばぁさんには犬失踪責任の圧力があるにもかかわらず、その数分間の見つめあいによってものすごくニュートラルな夫婦に戻ることが出来たのでした。 「あらあなた。とても汚れてるわねまずはお脱ぎになって」 「ぐすん。すまんね。ちょっと洗ってくるよ」 「かわいそうに、着替え用意しておきますからね。」 自然な会話が二人の耳を通過しました。 それはとても自然でした。 夏にトマトを食べるくらい自然でした。 奈良で鹿の糞を踏む程に自然でした。 深夜に車で鹿をひくぐらい自然でした。 横綱がちゃんこ屋を経営する程に自然でした。 塾講師が休日をハヤシライスで済ませるほど自然でした。 おじいさんの子犬飼育の企て以来、ずっとわだかまりのあったおじいさんとおばぁさんは、こんなにまで打ち解けた普通の会話は久しくなかったことであるのにも関わらず、久しぶりさに擬古地が無いことはなく、それがまた両者全く違和感の無い感じにうまく言葉が繋がるのでした。 それはまるで、同窓会で久しぶりに会った別に仲良くもない友人に完全無視されたこと自体が会話であるように、はたもや、全日プロレスと新日プロレスの巡業バスが乗り合いであるようでもあり、はたもや、釣りトップでバス釣り企画の直後FishingNowでチヌ釣りコーナーがあるように、自分の車はハイオクなのに「レギュラー」と言ってしまった事に後で気づいたのにハイオクが入っているように、国技のトップが外国人であるように、さやえんどうがおやつであるように、違和感があるべき自体に全く違和感を感じない台風の目のような時間が続いたのでした。 本来ならおばぁさんの予測では、おじいさんは帰ってくると同時に悲惨な顔をして「犬はどこにいったんや!」と怒鳴り散らし、おばぁさんを攻め立てるはずでしたが予測は異常なまでにはずれおじいさんはまみれて泣いているのですから、おばぁさんはこういう場合、ニュートラルが一番ニュートラルだとなんとなく人生経験というものがそうさせたようでした。 そんななか、おじいさんは流しで身体を綺麗にしました。汚くなった流しをおばぁさんは気にせず、 「話は後で聞くから、とりあえず桃食べんさい」 とおじいさんをやさしく桃にいざないました。と同時におじいさんはギクッとしました。おじいさんは、あぁ、遂におばぁさん発信で桃という単語を口にされた。今日になってようやく私の流した桃を私に還してくれるとは、気がついてくれたのか、あぁなんて素晴らしい日だ。涙が心地よいものに変わっていくと感激しました。 しかし、おばぁさんから肝心のセリフ「あなたが毎日桃を流してくれていたのね」というおじいさん的には桃流終焉の最高のセリフがここぞというタイミングで返ってこなかったので、おじいさんはうんうん言っていました。しかし、それはおばぁさんメイクな演出があるかもしれないのだから、ここはおばぁさんの言うとおり食べなさいと言っているので桃を食べる流れに任せよう。とおばぁさんプログラムに乗った気持ちで意気揚々。あぁ俺ってすごい受け身と思いながら何もせずじっとおばぁさんが行おうとしている桃の支度を眺めていました。 二人はいつしか笑顔になっていました。 おじいさんのその笑顔はどうしても押さえきれない喜びがあふれ出るようで、いくら我慢しても目が垂れ下がってきて口角が上がるのでそれを抑えようとするのですが、顔の筋肉の扱いにくさがまた、笑いを誘い、ふにふにになっていました。 おばぁさんはおじいさんが半笑いなのには慣れていました。 おばあさんにとって、おじいさんイーコール半笑い、みたいな人だったのでした。それが最近では全く見せなくなっていた表情だったので、その顔を見た瞬間、懐かしさでつられて笑顔になりました。 和やかな時間が流れる中、おばぁさんは桃を切りました。 するとどうでしょう。 床下が急に大きな音をたてて浮き上がり、桃は跳ね上がり、床が宙を舞いあがりました。二人にはそれがあまりにも一瞬の出来事で、雷が落ちたのかと錯覚しましたが、二人がようやく気がつくとまな板には、桃の残骸と、子供が立っていました。 PR |
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